葉酸(ようさん)とは、水溶性のビタミンB群の一種で、ビタミンB9とも呼ばれます。
主に細胞分裂やDNA合成に必要な栄養素で、特に妊娠初期の胎児の発育に欠かせない存在です。
体内で作ることができないため、食品やサプリメントから摂取する必要があります。
葉酸の働きと効果
葉酸は、次のような働きを持っています。
- 胎児の神経管閉鎖障害リスク低減
妊娠初期の胎児は神経管(脳や脊髄の基になる部分)が形成されますが、葉酸が不足すると障害リスクが高まります。
そのため、妊娠を希望する女性は妊娠前からの摂取が推奨されています。 - 造血作用
葉酸は赤血球を作る際に必要な栄養素です。鉄分と一緒に摂ることで貧血予防に役立ちます。 - 動脈硬化予防
血中ホモシステイン濃度を下げ、血管の健康維持に貢献します。 - 認知機能のサポート
葉酸不足は記憶力低下やうつ症状にも関連があるとされます。
葉酸を多く含む食品
葉酸は主に緑黄色野菜・豆類・果物などに多く含まれます。
- 野菜:ほうれん草、ブロッコリー、アスパラガス
- 豆類:枝豆、ひよこ豆、レンズ豆
- 果物:アボカド、いちご、オレンジ
- その他:レバー、卵黄
注意:葉酸は熱や光に弱く、水に溶けやすいため、生食や短時間加熱が望ましいです。
厚生労働省が推奨する葉酸摂取量
- 成人女性・男性:240µg/日
- 妊娠を希望する女性・妊娠初期:食事からの摂取240µg+サプリメント等から400µg(合計640µg程度)
- 授乳中:280µg/日
葉酸サプリは必要?
妊活中や妊娠初期は、食品だけで推奨量を満たすのが難しい場合があります。
そのため、厚生労働省はサプリメントでの補助摂取を推奨しています。
特にモノグルタミン酸型の葉酸は吸収率が高く、妊娠前〜妊娠3か月まで継続的な摂取が効果的です。
葉酸の摂りすぎに注意
過剰摂取(1,000µg以上/日)すると、以下のような副作用が出る可能性があります。
- ビタミンB12欠乏症の発見遅れ
- 吐き気や腹部不快感
- 発疹
食品からの摂取で過剰になることはほぼありませんが、サプリ利用時は用量を守ることが大切です。
まとめ:葉酸はライフステージに合わせて摂取を
葉酸は胎児の健康だけでなく、大人の血管・造血機能にも重要な栄養素です。
特に妊娠を計画している女性は、妊娠前から十分に摂取することが推奨されます。
食事+サプリメントをうまく活用し、日常的に葉酸を意識してみましょう。