清涼飲料水やお菓子の原材料表示に登場する「異性化糖(いせいかとう)」。
健康意識の高まりとともに、その安全性や摂取量が気になる方も増えています。
この記事では、異性化糖の意味・種類・製造方法・使われ方・健康リスクまで、初心者にもわかりやすく解説します。
異性化糖とは?
異性化糖とは、でんぷん(主にトウモロコシやじゃがいも)から作られる液状甘味料のことです。
でんぷんを酵素や酸で分解してブドウ糖に変え、それをさらに「異性化酵素」で一部を果糖に変換します。
この「ブドウ糖+果糖」の混合液が異性化糖です。
異性化糖の種類
異性化糖は、果糖の割合によって大きく3種類に分けられます。
- ぶどう糖果糖液糖(果糖含有率42%未満)
甘さ控えめで加工食品全般に利用 - 果糖ぶどう糖液糖(果糖含有率42%以上50%未満)
炭酸飲料やスポーツドリンクでよく使用 - 高果糖液糖(果糖含有率50%以上90%未満)
甘みが強く、アイスや菓子類に利用
異性化糖の製造方法
- 原料の調達
トウモロコシやじゃがいものでんぷんを使用 - 液化・糖化
酵素や酸ででんぷんをブドウ糖に分解 - 異性化
異性化酵素を使い、一部のブドウ糖を果糖に変換 - 精製・濃縮
不純物を取り除き、シロップ状に加工
異性化糖の使われ方
- 清涼飲料水(ジュース、炭酸、スポーツドリンク)
- 菓子パン、洋菓子
- 冷菓(アイスクリーム、かき氷シロップ)
- 調味料(ケチャップ、ソース、たれ)
特徴
- 甘味度が高くコストが安い
- 液状なので混ざりやすく製造しやすい
- 保存性が高い
健康への影響と注意点
異性化糖の主成分はブドウ糖と果糖です。
果糖は血糖値を急激に上げにくい一方、過剰摂取は中性脂肪や内臓脂肪を増やす可能性があります。
また、甘い飲料で大量に摂取すると肥満や生活習慣病リスクが高まるといわれています。
ポイント
- 適量なら大きな問題はない
- 毎日大量に飲む・食べるのは避ける
- 成分表示をチェックする習慣が大切
よくある質問(FAQ)
Q1. 異性化糖と砂糖の違いは?
A. 砂糖はショ糖で、ブドウ糖と果糖が1:1で結合。異性化糖は液状で混合状態にあり、果糖割合が変動します。
Q2. 果糖は天然だから安全ですか?
A. 果物に含まれる果糖は問題ありませんが、異性化糖からの大量摂取は代謝負担になります。
Q3. 異性化糖は子どもに悪いですか?
A. 大量摂取は虫歯や肥満リスクを高めます。特にジュースや清涼飲料は与えすぎに注意しましょう。
まとめ
- 異性化糖とは、でんぷんを原料にした液状甘味料
- 果糖の割合で「ぶどう糖果糖液糖」「果糖ぶどう糖液糖」「高果糖液糖」に分類
- 安価で使いやすいが、過剰摂取は健康リスクあり
- 成分表示を確認し、甘味料の摂りすぎを防ぐことが重要