マグネシウムは、人間の体内で約300種類以上の酵素反応に関与する必須ミネラルです。
骨や歯の形成、エネルギー産生、神経や筋肉の働きの調整など、生命維持に欠かせない役割を担っています。
成人の体内には約25gのマグネシウムが存在し、その約60%は骨に、残りは筋肉や血液、細胞内に存在します。
マグネシウムの主な働き
- 骨や歯の形成
カルシウムと共に骨の健康を保ちます。 - 神経・筋肉の調整
筋肉の収縮や神経伝達を正常に保つ役割があります。 - エネルギー代謝
ATP(エネルギー分子)の生成を助けます。 - 血圧・心拍の安定
心臓のリズムを整え、高血圧や動脈硬化の予防に役立ちます。
マグネシウム不足による症状
- こむら返りや筋肉のけいれん
- 動悸や不整脈
- 慢性的な疲労
- 不眠やイライラ
- 頭痛や片頭痛
- 骨粗しょう症リスクの上昇
特に不足しやすい人
・加工食品や外食中心の食生活
・過度な飲酒
・ストレスが多い生活
・糖尿病や高血圧の方
マグネシウムを多く含む食品
海藻類
- わかめ、ひじき、昆布
ナッツ・種子類
- アーモンド、カシューナッツ、かぼちゃの種、ごま
豆類
- 大豆、枝豆、黒豆
魚介類
- いわし、さば、あさり
野菜・その他
- ほうれん草、玄米、そば、バナナ
マグネシウムの吸収率を高める方法
- カルシウムとバランスよく摂る
カルシウム:マグネシウム=2:1の比率が理想的です。 - 過剰なリンやアルコールを避ける
加工食品や過剰飲酒はマグネシウム排泄を促進します。 - ビタミンDを一緒に摂る
魚やキノコ、日光浴でビタミンDを確保し、吸収率を高めます。
1日の摂取推奨量(日本人の食事摂取基準 2025年版)
- 成人男性:320〜370 mg/日
- 成人女性:260〜290 mg/日
- 妊娠・授乳期は+30〜50mg程度が推奨
マグネシウムの過剰摂取について
通常の食事で過剰になることはほとんどありませんが、サプリや医薬品(下剤)を大量に摂ると下痢や低血圧、心臓機能低下の恐れがあります。
まとめ:マグネシウムは現代人が不足しやすい必須ミネラル
マグネシウムは、骨や筋肉、神経、心臓、エネルギー代謝など、あらゆる体の機能に関わる重要なミネラルです。
海藻・ナッツ・豆類・魚介類を意識して摂り、カルシウムやビタミンDと組み合わせることで吸収率を高められます。

