アイスクリーム、ドレッシング、スープ…身近な加工食品の成分表示を見ると、「キサンタンガム」という名前を見かけることがあります。
また、「増粘剤」という言葉もよく一緒に記載されていますが、「これって体に悪いもの?」と不安になる方も多いかもしれません。
今回は、キサンタンガムとは何か、そして増粘剤の安全性について、わかりやすく解説します。
キサンタンガムとは?
キサンタンガムは、「増粘剤」と呼ばれる食品添加物のひとつです。
とうもろこしなどの糖分を、キサントモナス菌という微生物が発酵させて作られる天然由来の多糖類(=たくさんの糖がつながった成分)です。
もともと自然界に存在するものを利用して作られるため、「人工的にゼロから合成された化学物質」とは違い、比較的ナチュラルな添加物といえます。
キサンタンガムを食品に加えると、とろみや粘り気をつけたり、材料が分離しにくくなったりする効果があります。
そのためドレッシングのように「油と水が分離しやすい」食品でも、なめらかな状態を保つことができるのです。
そもそも増粘剤とは?
「増粘剤」とは、文字通り食品に粘りを持たせるために使う添加物の総称です。
キサンタンガムのほかにも、
- グアーガム
- カラギーナン
- アルギン酸ナトリウム
など、自然由来のさまざまな物質が使われています。
増粘剤は食品の食感をよくしたり、見た目をきれいに整えたりするために欠かせない存在です。
キサンタンガムや増粘剤は安全なの?
結論から言うと、適正に使用されている限り安全とされています。
キサンタンガムは、長年にわたり世界中で食品に使われており、
- FAO(国際連合食糧農業機関)
- WHO(世界保健機関)
- 日本の食品安全委員会
などの機関でも「安全」と認められています。
また、体内に入ってもほとんど吸収されず、大部分はそのまま排出されるため、蓄積による健康リスクもほぼないと考えられています。
ただし、一部の人(特に大量に摂取した場合)では、お腹が緩くなるなどの軽い消化器症状が起こることがあります。
これは食物繊維を多く摂りすぎた場合と似たような反応です。
とはいえ、気をつけたいポイントも
キサンタンガム自体は安全ですが、加工食品ばかりに頼った食生活は、栄養バランスの偏りを招く恐れがあります。
「添加物=悪」ではありませんが、できるだけ素材そのものの味を楽しむ食事も意識したいところですね。
また、アレルギー体質の方や小さなお子さんは、念のため注意して様子を見るのもよいでしょう。
まとめ
- キサンタンガムは、天然由来の増粘剤で、安全性も高い
- 適量なら健康リスクはほぼないが、過剰摂取には注意
- 加工食品に頼りすぎず、バランスのとれた食生活を心がけよう
「成分表示を見るとなんとなく不安…」という気持ちは自然なことですが、正しい知識を持つことで、必要以上に怖がらずに済みます。
これからも、安心しておいしい食事を楽しんでいきたいですね!