鉄分は、血液中のヘモグロビンの構成要素として酸素を全身に運ぶ役割を持つ必須ミネラルです。
体内には約3〜4gの鉄が存在し、その大半は赤血球に含まれています。
成長期・妊娠期・授乳期などは特に必要量が増えるため、意識して摂取することが大切です。
鉄分の主な働き
- 酸素運搬
ヘモグロビンが酸素を体中に運び、エネルギー代謝を支えます。 - エネルギー産生
代謝酵素の働きを助け、疲れにくい体をつくります。 - 免疫機能の維持
白血球の働きをサポートし、感染症への抵抗力を高めます。 - 脳機能の維持
集中力や記憶力に関わる神経伝達にも必要です。
鉄分不足による症状
- 鉄欠乏性貧血(めまい・動悸・息切れ)
- 疲労感・倦怠感
- 集中力低下
- 顔色の悪化
- 爪の変形(スプーンネイル)
鉄分を多く含む食品
鉄にはヘム鉄(吸収率が高い)と非ヘム鉄(吸収率が低い)があり、両方をバランスよく摂ることが重要です。
ヘム鉄を多く含む食品(吸収率:15〜25%)
- レバー(鶏・豚・牛)
- 赤身肉(牛もも肉、マグロ、カツオ)
- あさり、牡蠣、いわし
非ヘム鉄を多く含む食品(吸収率:2〜5%)
- ほうれん草、小松菜
- 大豆製品(豆腐、納豆)
- ひじき、ごま
鉄分の吸収率を高める方法
- ビタミンCと一緒に摂取
柑橘類、キウイ、パプリカなどは鉄の吸収を促進します。 - 動物性たんぱく質と組み合わせる
肉や魚と一緒に摂ると非ヘム鉄の吸収率がアップします。 - カフェインの摂取タイミングに注意
お茶やコーヒーに含まれるタンニンは鉄吸収を阻害するため、食後30分以上空けるのが理想です。
1日の摂取推奨量(日本人の食事摂取基準 2025年版)
- 成人男性:7.5 mg/日
- 成人女性(18〜49歳・月経あり):10.5 mg/日
- 妊娠中・授乳中はさらに多く必要(12〜20mg)
鉄分の過剰摂取について
通常の食事で過剰になることはほとんどありませんが、サプリの大量摂取は鉄過剰症や肝障害の原因になることがあります。
まとめ:鉄分は疲労予防と健康維持に欠かせない栄養素
鉄分は貧血予防だけでなく、体のエネルギーや集中力、免疫力にも直結する栄養素です。
ヘム鉄+非ヘム鉄+吸収促進の工夫を意識して、毎日の食事に取り入れましょう。

